初めての観葉植物 ドラセナ

これまで家に、観葉植物を置かないようにしていました。

長期間、家を開けることも多かったし、枯らしちゃうのも怖かったし、

育てる自信がなかったから。


家の中に鮮やかで大きな緑があると、

さぞかし気持ちいいだろうなと思いながら、

お店で眺めたり、ネットで検索しながら、

「リビングに置くなら、どれがいいかな〜」

と妄想していました。


観葉植物が欲しくなると、シュミレーションだけしようと、

育て方を調べ、おしゃれな鉢植えや用具もチェック。

何度も、眺めてはあきらめ、ながめては諦め。

「おうちに観葉植物があると、きっと気持ちいいよね。」という息子と

「そうなんだよね、絶対にいいよね。あの角とかに置いたらさ。」とか言いながら、

見えない観葉植物を部屋の角に置いて見たりして楽しんでいました。


時折、「観葉植物が欲しいブーム」と「猫が飼いたいブーム」が来るので、

その度に、エア植物、エアキャットと戯れて、

気がつけば数年が過ぎました。


それが、ついに最近、ひょんな事から植物を育てることになりました。

その植物は、いわゆる観葉植物の鉢植えとしてやってきたわけではなく、

もともとは、切り花の「緑担当」でした。

3束以上買うとお安くなるという、ユニクロのお花スタンドで購入。

お花に緑でも添えよっかなと買ったドラセナ サンデリアーナです。

白い線がさわやかだし、ユニクロのポップに

「ドラセナは長持ちします。」

というようなことが書いてあったのが決め手でした。


ポップのいう通りで、他のお花が枯れた後もドラセナは元気でキレイだったので、

花瓶に水に入れて刺して置きました。

他のお花は度々入れ替わったのですが、ドラセナだけは、ますます緑が濃く元気に。

出窓に置いて、ちょうど日光もいい感じに当たったからか、

気がつくと根が生えてきていました。

ゴミかなと思ったら、産毛のようなピロピロの根でした。

どおりでいつまでも、緑が濃くて元気なわけだと思い、

ドラセナだけ別の花瓶に移して、毎日、水を変えていました。


みるみる新しい葉も増えて、根っこもどんどん繁って伸びました。

「どうしよう。お水だけじゃ、気の毒かな。それにしてもよく育つな。」と

感心していました。

土に植え替えてあげたほうがいいだろうなと思いながら、

一旦、鉢植えに植えてしまうと、今までみたいに気軽に水を変えるだけではなく、

重大な責任が発生することに怖気付いていました。

どこかの場所に、何かが根付くということは、

植物にとっても人にとっても、覚悟が必要だと思うのです。

少し大げさですが、関係が濃くなるというか、繋がりが濃くなるというか。

「うーそれは、まだ心の準備ができていない。」とプレッシャーを感じて、

「とりあえず、お水で、ごめんね。」と声をかけたり、根っこをトリミングしてみたり、

マイペースにドラセナと付き合っていました。


季節が変わり寒くなると、ドラセナは少し元気が無くなってきました。

あとから買い足したドラセナもいたのですが、寒い時期にスタートしたからか、

根っこも生えずカサカサになって、さようならしました。

もしかたら、元祖ドラセナも冬がきたら、寒さで枯れてしまうかもしれないから、

もうしばらく様子を見ようと思いました。

そうやって、自分とドラセナに言い訳をしながら、植え替えを見送り続けたのです。


とはいうものの、私はマイペースでやっている限りは、

意外とマメにお世話ができることに気がつき、

ちょっとした自信をドラセナにつけてもらいました。


そうこうしているうちに、気がつけば、暖かくなって春がきました。

ドラセナは、冬を越えて、再び新しい葉を出し始めたのです。

いやあ、さすがにこの健気な姿には、心を動かされました。

これは、絶対に植え替えないと申し訳ない、と。


まずは、ウォーミングアップで、ネットやユーチューブで育て方をチェック。

水だけで育つだけあって、ドラセナは比較的育てやすい植物だと

わかりました。

しかも、株を増やす際には、たまたま私がやっていたように

水に刺しておいて根が出るのを待つ方法もあるようで、

「なに、私ってちょっとセンスあるんじゃない。」なんて、いい気にもなったりして。

もしかして、ドラセナが、その記事をみるように仕向けて、

「ほら、意外とできるじゃない。次は、土に植えるだけだよ、やって見て。」と、

うまいこと私をおだてて、気分を乗せてくれたのかも、とか思ったりして。

「そうだね、これくらいならできるか。よし。」と覚悟を決めました。


だんだん、やる気は上がってきたけれど、なんせ自分を信用できないので、

安全策として、まずは安い道具を揃えようと近所のホームセンターとダイソーへ。

植え替え用の土やら植木鉢を安く購入しました。

調べた通りに鉢に植え、妄想していた観葉植物のポジションに置いてみました。


すると、プラスチックの植木鉢が部屋の中で、なんか浮いている。土も丸見え。

トータルで見ると貧相な感じに。

「部屋に緑があると素敵」というイメージから程遠かったので、

植木鉢カバーやインテリアになるような小道具に頼ることにしました。


何をどこで買ってよいかわからないので、

とりあえず、ついでのお遣いもあったので、

困った時頼みの伊勢丹で見ることにしました。

大好きな新宿伊勢丹へ。


伊勢丹で高価な植木鉢カバーを買う目的ではありません。

目的は、あのラグジュリアスな館内ディスプレイです。

どのように緑をコーディネートしているか参考にしようと、

偵察に行くことにしました。何かインスパイアしてくれるはず。

伊勢丹のショーウィンドウは、どんなものでも

ちょっと格上の雰囲気に見せ上手、映え上手ですよね。

生活に潤いを与えるちょっとしたヒントがあふれています。


高級品だから高級に見えることもあるけれど、

近所で売っている普通の商品さえも伊勢丹にあると

魔法がかかったように輝いて見える。

伊勢丹のディスプレイや雰囲気には、伊勢丹の息吹を感じて、

館内にいるだけでワクワクして、豪華な気持ちになります。


そんな風に、伊勢丹のことは愛しているけれど、

今回のミッションは、伊勢丹を参考にして

あとで「安くて似たもの」でゲットして真似すること。

そんな、ちょっぴりケチくさい気持ちでお買い物へ。

「知人のお祝いも買うから許して、伊勢丹」と

別に伊勢丹は何も思っていないのに心の中で言い訳。


ディスプレイを見に、リビング、キッチン、寝具やタオルの階へいくと、

今まではなかった観葉植物コーナーが出来ていて、ナイスタイミング♬

「今日は買わないんだから、サクッと見るだけ見て、

アイデアを盗んで帰ろう。」という下心を持って、

そのコーナーに入って行きました。


ところが、あっという間に伊勢丹マジックにかかり、

下心は忘れて、空間に引き込まれ目がハートに。

「わーすごくいい、イメージ通りの観葉植物。

心が潤うわ。部屋の格調も上がりそう。」

というような、美しく育った植物や陶器の鉢がたくさんありました。


伊勢丹で扱われているだけあって、なかなかの高額商品ばかり。

「よろしければ、ご相談ください。」と親切な店員さんが

声をかけてくださいました。

買わないからとそれは出来ないなと思い、愛想笑いでうなづいて、

「ありがとうございます、今日は見るだけなので」とちょっと逃げ腰に。


店員さんは、感じの良い、伊勢丹の店員さんとはちょっと違う雰囲気。

もちろん伊勢丹の店員さんは、皆さん感じがいいのですが、

メイクも振る舞いもナチュラル、服装も少しカジュアルだったので、

周りとはちょっと違う輝きを放っている女性でした。

デパートの店員というより、お花屋さんや植物のお店にいそうな、

植物やお花の仲間のような、いい意味で商売っ気のない感じの店員さん。

「ごゆっくりご覧ください。」と希望通りに私を放置してくれました。


しばらく見ていると、何万円もする植木鉢の合間に、

カゴタイプのカジュアルなカバーが。

もしやとタグを見ると「おー6000円じゃないか!これならいいかも。」と

散々お高いものを見たあとだったので、別に激安ではないのですが、

伊勢丹マジックにあっさりかかって、購買意欲が湧き出てしまいました。


しゃがみこんで、家のドラセナをいれた状態を想像しながら、

熱心に手に取り見始めました。

さすがに、そこまでがっつり食いついていると、

背中から「私、買います。」という湯気がたっていたのか、

気の利いた店員さんは、お助けが必要と察して、

巻き尺をもって再度声をかけてくれました。

まだ、買う決断をしていなかったのですが、

勇気を出してお話を聞くことに。

植木鉢のサイズをお伝えして測ってもらうと、

まさに手にしたカゴがちょうど良いことがわかりました。


いよいよ買う流れになってきたら、

「買わないつもりだったからなあ。」という自制心が急に働き始めました。

なので、正直にお話をしました。

ドラセナを植えることになった経緯、続くかわからない不安、

それでも、植えたからには、プラスチックむき出しではなく綺麗に飾りたい希望。

なので、何万円もするものは、素敵だけど今はやめておきたいこと。

この6000円くらいなら、最悪失敗してもダメージが少ないから、

いいかなと思っていること、などなど思いの丈を聞いてもらいました。


すると、鬱陶しがることなく丁寧に話を聞いてくれた上に、

賢いその人は、

「なるほど。このカゴタイプなら、6000円ですし、

最悪の場合、他の使い方ができると思います。」と。

はっきりは言わないけれど、「くずかご」として使える案を

ほのめかしてくれました。

素敵な商品を尊重しつつ、こちらへの気遣いもありつつ、

はっきり「くずかご」と言わずに、ほのめかした様子が上品で、

これまたとてもいい感じでした。


頭の片隅で「くずかごに使える案」がよぎっていた私は、

罪悪感をほんのり抱いていたのですが、

「他の使い方ができますよ。」という言葉に救われました。


そのあと、もう一つ、竹で美しく編まれた手の込んだ

上品なカゴが目を引いたので、

調子に乗ってそちらの価格も聞いて見ることに。

カゴだし、同じくらいの価格かなと思っていると、

サイズはぴったりだけど、お値段は18000円。

思わず「3倍!」と言ってしまいました。


店員さんはちょっと笑いながら、

「こちらは、裏側が植木用に水などを考慮して作られているので、

他の使い方はできなくはないですが、使いにくいかもしれません。」と。

ここもまた、商品にも私にも、全てに中立な態度と言葉選びで、

やんわりとアドバイスをくれました。

おかげで、「じゃ、6000円の方にします。」と戻りやすくなりました。


土も見えないようにしたいなと思っていたら、質問する前に、

「こうやって麻布(あさぬの)をかけて、ペットとかお子さんがいる方は、

土を隠したりもできますよ。」と参考に教えてくれました。

グイグイこないのに、さらっと必要そうなことを察して教えてくれて、

気分良くお買い物が進みました。


さらに、一連のやり取りの中で、この店員さんの素敵さが凝縮されていて

感動したのが、

「大丈夫だと思いますが、もしも、うまくいなかったら、ドラセナに

『観葉植物を育てる機会を与えてくれてありがとう。』と言って、

カゴを他の用途に使えばいいと思いますよ。」という言葉でした。


「観葉植物を育てる機会を与えてくれてありがとう。」

あまりにその通りで、胸にジーンと言葉が沁みました。

ユニクロから切り花としてやってきてから、

成長を見せてくれて、色々な喜びを与えてくれたドラセナ。

枯らさないよ、頑張るよ。


あとで、ショップのカードをいただいて、

伊勢丹にいつもいらっしゃる店員さんではなく、

観葉植物を専門に扱っているショップの方だとわかりました。

植物をとても大切に育てている丁寧な会社なんだろうなと感じました。


あれから、数週間、ドラセナはますます伸びています。

土にしっかり根付いたのか、茎も葉もしっかりしてきました。

まだ、大きな観葉植物ほど育っていないのですが、

カゴと麻布のサポートで、ちょっと立派に見えます。

知らなかったのですが、ドラセナは、幸せの木として有名みたいですね。

確かに、こうして色々な幸せを味わわせてくれています。

幸せが育ちますように、大事に育てていきたいと思います。


#観葉植物 #ドラセナ #サンデリアーナ #伊勢丹新宿店 

かつて、エア観葉植物を置いていた場所に。昼間は、窓の近くで日光浴をしています。

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