心に同じ「痛み」のある人

ハラスメントに(被害者としても加害者としても)

関わることになってしまった人の多くは、

元々、所属している家族や集団など、

周囲にハラスメント環境があることが多いです。

ハラスメントに接したことのある人、特有の、

「傷」「痛み」を持っているのです。

(もちろんアクシデント的なこともあるので全員ではないけれど)


この「傷」「痛み」を持っているもの同士というのは、

潜在的にそれを察知し合い、初めて出会ったとしても、

何となく共鳴するものなのです。


以前から、そんなことを感じてたのですが、

気になることがあって、

「共鳴しあったのに、どうして同じ感覚で付き合えないのだろう」

「その中でも、なぜ、搾取する方、搾取される方に別れるのだろう」

と思っていました。


何となく、同じような境遇で、同じ感性を持っていて、

通じ合ってもおかしくないのに、

実際は、違和感があって、通じ合わない方が多いことが、

とても気になっていました。


それが、リュック・ベッソンの新しい「DOGMAN」という映画を見て、

納得がいったのです。

主人公は、虐待を受けて過酷な幼少期を送り、犬たちだけが心の拠り所です。

そのまま彼は、大人になり、犬たちと共に、さまざまな犯罪を犯して捕まります。

彼は、大勢の犬と暮らし、女装していているので、

警察署が理解が難しそうだと判断して、(男性用女性用どちらの刑務所に入るのかなど)、

女性の精神科医が呼ばれ、話を聞くことになります。


映画は、拘置所内で、主人公が、幼少期から現在に至るまでを

精神科医に話し、回想すると言うものです。

映画を観る人は、回想シーンで、現在に至るまでの彼の人生の

一連の流れを見るわけです。


で、彼は、近隣の人など、互いに助け合っている人間もいるのですが、

基本的には、人間を信頼できる感じではないわけです。

ましてや、警察や警察関連の精神科医なんて、

信頼できなくてもおかしくないのは、想像に難くないですよね。


だけど、彼は、精神科医の女性に自分ことを洗いざらい、

言わなくてもいい犯罪のことまで、全部、話します。

もう、心残りがないくらいに。


そして、映画端々に、精神科医の女性の生活背景も少し出てきます。

彼女の父親も元夫もDVで、彼女もその母親も

ハラスメント環境を生き延びて、今もなお、

問題と向き合いながら生きていることがわかります。

そのことは、もちろん、収監されている主人公には

話しません。

私たち鑑賞者だけが、その背景を垣間見ることができるのです。


主人公が、全てを告白し終わると、精神科医は、

最後の最後に、

「なぜ私に話をする気になったの?」と聞きます。

確かに、思い返したくない残酷な生い立ち、明るみに出ていない犯罪歴、

なぜ、自ら、話したのでしょう。


すると、彼は、

「あなたは、僕と同じ『痛み』を持っているから」

と言います。

やはり、ちゃんと、同じような痛みを抱えているもの同士は、

何かを察知し合うのです。


この時、私の長年の疑問に対する答えが出たのです。

「これだ」と思いました。


人は、その人の根っこに抱えているものを

察知し合うから、引き合う。

だけど、同じ「痛み」を持っていたとしても、

それは、皆、同じ形で表現、体現されるわけではない

ということ。


さらに、だから、気持ちが共鳴しあっても、捉える角度が違うから、

その関係が歪んだ形になってしまうこともあるのだ

ということも理解できました。


何か同じ匂いを感じる相手と仲良くできるかと思いきや、

うまくいかなかったり、思ったのと違ってしまうのも、

こう言うことなのではないかと思いました。

ちょっと考えれば当たり前かもしれないのですが、

そのカラクリが理解できて、スッキリしたのです。


これは「痛み」「悲しみ」「苦労」ばかりではなく、

「幸せ」「喜び」「努力」「信頼」も同じだと思います。

これらも、いい意味で、心に持っていると、

同じような幸せを持つ人と、共鳴し合える、と。

そして、形が違えば、互いの幸せを組み合わせて、

新しい形の幸せも作れると。

どうせなら、ハッピーな要素で引き合いたいですね。


生きていれば、誰もが「痛み」を抱えると思います。

だから、痛みを分かり合い、通じ合えることは、

助け合えることもあります。


ただ、ささやかでも、自分の中の

「幸せ」「喜び」「優しさ」で

人と通じ合えるようになっていきたい。


またそんな感情だけではなく、

「平常心」という状態を保つようにしていると、

同じように平常心を保つ人と惹き合えます。

心の形は、全く違っても「平常心」という状態で

集まれると、それぞれのもつ特徴が良い形で

合わさって、創造性に溢れます。


多分、この主人公と精神科医は、痛みは共通していても、

人間への信頼度の大きさは、違うだろうと思います。

でも、共通する「痛み」でつながり、程よい距離感が保たれたことで、

彼が引き出された。ある意味、この二人ならではの、

クリエイティブな時間がくり広がったのだと思います。


人の話を聞くことは、その人の内側を引き出すことなので、

私は、クリエイティブだと思うのです。


映画自体は、気になる部分もいろいろあって、

絶賛というわけではないので、

そんなに大のおすすめ映画ではないけれど、

主人公のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが良かったのと、

私の心には、大事な教えを一つ残してくれたので、

★★★☆☆、星5分の3つ。なんて、偉そうですが。

彼の映画にしては、切れ味と詳細がイマイチだった気がする。

リュック・ベッソン監督、ごめんなさい🙏


でも、やっぱり、映画って良いですね。

水野晴郎じゃないけど。笑



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